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買換え特約
住宅を買い換える場合、手持ち物件の売却前に新規物件の購入契約を締結すると、手持ち物件を売却できないと非常に困ることになる。そこで、そのような事態に備えるためには、購入契約に「○月○日までに○○万円以上で手持ち物件を売却できなかったときは、本契約を白紙解除できる」旨の特約をつける必要がある。この特約を買換え特約という。
解除条件
将来不確定な事実が発生することによって、契約等法律行為の効果が消滅する場合の、不確定な事実をいう(民法127条2項)。
買取保証
個人所有住宅の買換えや至急換金等、売主の事情によって不動産売却と資金調達が連動し、かつ時間的制約がある場合、不特定買主との合意による売買契約成立のみに期待することは売主にとって危険なので、売主の不安を除き危険負担を分散するため、一定媒介期間経過後に希望価格での成約に至らないときは、媒介業者が査定価格から公租公課と必要経費を減じた価格で買い取ることを約束することがある。
これを買取保証という。実務上は新規物件販売のための下取り物件処理や買取り転売の手法として用いられる。
この場合の査定価格は業者の転売危険負担を見込むので、通常の媒介の査定よりその分だけ下回る。
開発許可
都市化の進展に対しスプロール化の弊害を防止し、都市の健全な発展と秩序ある整備を目的として開発行為を許可制としているものである。
具体的には、市街化区域および市街化調整区域に関する都市計画が定められた都市計画区域内で、一定面積以上の開発行為を行おうとする者に、知事または政令指定都市の長が与える許可をいう(都計法29条)。
許可を必要とする面積は政令で原則として1,000平米以上とされているが、三大都市圏の一定の地域については500平米以上とされている。
また、都道府県の規制により区域を限って300平米までの範囲で別に定めることができるものとされている。また、当該都市計画が定められていない都市計画区域においても3,000平米以上の開発行為を行う場合は同様にこれが必要である。
買戻しの特約
不動産の売買契約と同時に、一定期間経過後売主が代金と契約の費用を返還して不動産を取り戻すことができることを内容とする契約解除の特約をいう(民法579条)。
解約手付
いったん締結した売買契約を、後に解除しうることとして授受される手付をいう。
一般にその金額についての制限などはないが、宅建業者が宅地建物の売主の場合には、20%を超えることはできない(宅建業法39条)。
解約手付が授受されると、買主からはそれを放棄すれば、また売主からはその倍額を返しさえすれば、契約を解除することができる(民法557条1項)。
ただし、相手が契約で定められたことを始めるなど履行に着手すると、手付解除は認められない。解除の方法などは一般の場合と同様であるが、手付額、または倍額のほかに損害賠償を請求することはできない(同条2項)。手付には、このほか証約手付、違約手付がある。
瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)
売買の目的物に隠れた瑕疵があったとき、売主が買主に対して負う責任をいう(民法570条)。
「売主の担保責任」の一形態である。瑕疵とは、建物にシロアリがついていたとか、土地が都市計画街路に指定されていたことなどをいう。
買主は、善意無過失である限り、契約時にわからなかった瑕疵のために損害を受けたときは、売主に対して賠償請求をすることができる。また瑕疵のため契約の目的を遂げることができない場合には、契約を解除することができる(同法566条1項)。ただしこれらは、買主が瑕疵を知ったときから1年内にしなければならない(同法570条、566条3項)。また強制競売で物を買った(競落した)場合には、買主にこれらの権利は与えられない(同法570条但書)。
仮換地(かりかんち)
土地区画整理事業の円滑な進捗と関係権利者の権利関係の速やかな安定を図るために、土地区画整理事業の施行者が、換地処分を行う前において、施行区域内の従前の宅地について仮に使用収益できる土地を指定する処分を仮換地の指定処分といい、このようにして指定された土地を仮換地という。
仮換地の指定処分がなされると、従前の宅地の権原に基づいて使用収益をすることができた者は、仮換地の指定の効力発生の日から換地処分の公告がある日まで、仮換地について従前の宅地について有した権利の内容である使用収益と同じ内容の使用収益ができるが、従前の宅地については使用収益ができなくなる。
仮登記
終局登記(本登記)をなしうるだけの実体法上、または手続法上の要件が完備していない場合に、将来の登記の順位を保全するため、あらかじめなす登記をいう(不動産登記法2条)。
後日要件が完備して本登記がなされれば、仮登記の順位が当該本登記の順位になるという順位保全効力を有する(同法7条2項)が、仮登記のままでは対抗力はない。
このような仮登記の一時的・仮定的性格に鑑み、実務上仮登記申請の際には登記済証、利害関係人の承諾書の添付は必要とされず、さらに法律上仮登記権利者が単独で、仮登記義務者の承諾書を添付してする方法(同法32条)や仮登記仮処分命令によってする方法(同条33条)等、仮登記申請の特則が設けられている
管理組合
区分所有建物の建物全体の維持管理と、区分所有者間の権利義務を調整するため、区分所有者で構成される団体が管理組合である。
建物の区分所有等に関する法律は、「区分所有者は全員で、建物並びにその敷地及び附属施設の管理を行うための団体を構成し、この法律の定めるところにより、集会を開き、規約を定め、及び管理者を置くことができる。」(同法3条)と規定し、区分所有者は当然にこの団体の構成員となるとしている。
一般には、区分所有者による集会を経て設立される
管理形態
マンション等の区分所有建物の維持管理については、通常管理組合と管理会社との間に管理委託契約が結ばれ、その契約の内容に応じて管理形態が定められる。主な管理形態としては、次のようなものがある。
(1)巡回管理:管理人を定期的(たとえば週3回ゴミを出す日等)に巡回させて管理業務を行う形態
(2)住込管理:管理人が住み込む形態
(3)日勤管理:管理人を通勤させて業務を行う形態
(4)無人管理:管理人を置かずに、たとえば、清掃のパートタイマーを雇用して処理する等の形態で、いわば自力管理である。
管理形態により管理の内容、サービス、費用が異なるので、それぞれのマンションの規模、立地条件、設備等により適当なものを選定すべきである
危険負担
建物の売買契約などの双務契約において、契約後類焼などによって建物が焼け、売主の引渡義務が履行できないようなとき、損害(危険)を当事者のいずれが負担するかの問題をいう。
建物の引渡義務を負う売主(債務者)が代金を請求しえないとするのが債務者主義、買主(債権者)は代金を支払わねばならぬとするのが債権者主義である。
共有・準共有
複数の者がひとつの物の所有権を有する場合を共有、所有権以外の財産権を有する場合を準共有(民法264条)という。
数人共同で、物を買ったり相続したりすると共有を生じ、各人はこの物の持分を有することになる。持分は合意、または法律の規定(民法900条等)で決まるが、それが明らかでない場合は均等と推定される(同法250条)。
共有者は持分に応じて共有物全部の使用ができる(同法249条)。
共有物の保存行為は単独でできる(同法252条但書)が、管理行為は過半数で決し(同法252条)、その費用は持分に応じて負担する(同法253条)。
共有物全部の処分は全員一致でなければならないが、持分の処分は自由である。
クーリング・オフ
宅建業者が自ら売主となる宅地または建物の売買契約において、宅建業者の事務所またはそれに準ずる場所以外の場所でなされた宅地建物の買受けの申込み、または売買契約について、8日間以内の場合には無条件に申込みの撤回または契約の解除ができる(宅建業法37条の2)。
これをクーリング・オフという。ただし、次の場合には申込みの撤回等ができない。
(1)申込みの撤回等ができる旨等一定の事項を告げられた日から8日を経過したとき
(2)宅地建物の引渡しを受け、かつ、その代金の全部が支払われたとき
申込みの撤回等の意思表示は、書面により行う必要があり、その効力は書面を発したときに生ずる。この場合、宅建業者は速やかに手付その他の受領した金銭を返還しなければならない。
区分所有権
一棟の建物に、構造上区分された数個の部分で独立して住居、店舗、事務所、または倉庫、その他建物としての用途にすることができるものがあるときの、その各部分を目的とする所有権をいう(建物の区分所有等に関する法律1条、2条1項)。
この各部分は専有部分と呼ばれ、共用部分と区別される。専有部分については、一般の所有と同様に扱われるが、一棟の一部であるから共同の利益に反するような使用は許されない(同法6条)。
共用部分に対しては専有部分の床面積の割合で持分を有し(同法14条)、共同で使用する(同法13条)。
専有部分の処分は自由であるが、敷地利用権をこれと切り離すことはできず(同法22条)、共用部分の持分の処分もこれに従う(同法15条)。
現状有姿売買(現況)
不動産取引で、売買契約書中に「現状有姿(のまま)」「現状有姿にて引き渡す」等の文言が記載されることが少なくないが、その意義、具体的な内容については業界でも定説がない。
現状有姿は、引渡しまでに目的物の状況に変化があったとしても、売主は引渡し時の状況のままで引き渡す債務を負担しているにすぎないという趣旨で用いられることが多いが、単に現状有姿との記載があるからといって、これをもって直ちに、売主の瑕疵担保責任の免責についての合意があるとまではいえない(宅建業法40条、民法570、566条参照)。
建築協定
土地所有者および借地権者が、建基法の定めるところにより締結する建築物の敷地、位置、構造、用途、形態、意匠または建築設備に関する基準についての協定をいう。
住宅地としての環境、または商店街としての利便を高度に維持増進する等建築物の利用を増進し、かつ、土地の環境を改善することを目的としている(建基法69条)。
建築協定を締結しようとする土地所有者等は、その全員の合意により、協定の目的となっている土地の区域、建築物に関する基準、協定の有効期間、および協定違反があった場合の措置を定めた建築協定書を作成し、特定行政庁の許可を受けなければならない(同法70条)。
建ぺい率
建築物の建築面積の敷地面積に対する割合をいう。建築物の敷地内に一定割合以上の空地を確保することにより、建築物の日照、通風、防火、避難等を確保するため、都市計画区域内においては、用途地域の種別、建築物の構造等により、その最高限度が、下の表のように制限されている(建基法53条)。
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建ぺい率の区分
用途地域
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原 則
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防火地域内にある
耐火建築物(1)
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街区の角地等の
敷地の建築物(2)
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(1) + (2)
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第1種低層住居専用地域
第2種低層住居専用地域
第1種中高層住居専用地域
第2種中高層住居専用地域
工業専用地域 |
3/10、4/10、5/10 または6/10のうち 都市計画で定める割合 |
原則プラス 1/10 |
原則プラス 1/10 |
原則プラス 2/10 |
第1種住居地域
第2種住居地域
準住居地域
準工業地域
工業地域 |
6月10日 |
原則プラス 1/10 |
原則プラス 1/10 |
原則プラス 2/10 |
近隣商業地
域商業地域 |
8月10日 |
10/10 (制限なし) |
9/10 |
10/10 (制限なし) |
| 用途地域の指定のない区域 |
5/10、6/10 |
原則プラス 1/10 |
原則プラス 1/10 |
原則プラス 2/10 |
権利証(登記済証)
権利に関する登記済証のことを略して権利証という。
広義には登記所から登記済みの証明として交付を受けたすべての書面を登記済証というが、権利に関する登記済証とは、登記名義人がその権利を保存、設定、移転等により取得した登記の際、登記所から登記済みの証明として交付を受けた書面をいう(不動産登記法60条)。
当該権利の登記名義人たることを表象する書面であり、その人が将来登記義務者として登記申請する場合には、その申請意思の担保として添付を要求される(同法35条1項3号)。
もし登記済証が滅失、または紛失したときは保証書によることになる(同法44条)。
公図
旧土地台帳法施行細則2条1項の規定により、登記所が保管している土地台帳付属地図の一般的呼称である。
公図は、旧土地台帳法の廃止によりその法的根拠が失われたが、不動産登記法17条所定の地図が整備されるまでの暫定的措置として登記所に保管され、この地図に準ずる図面として取り扱うこととされており(不動産登記事務取扱手続準則29条)、登記所で一般の閲覧に供されている。
公図は、各筆の土地の位置、形状、地番を公証するものとして事実上重要な機能を有しており、道路付きや隣地境界の関係を知る手だてにもなるが、前記のとおり公図には法律上の効力もなく、必ずしも現地を正しく反映していないものがあるので、公図を無条件に信頼するのは危険である。
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