不動産売却をご検討中の方はお気づきの事と思いますが、インターネット上の広告に「不動産の一括査定」といった“簡単に相場が分かりますよ”という誘導広告をよく目にしますが、どんな構造になっているのでしょうか。
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広告を出している運営会社は不動産会社ではありません。広告専門業者です。
広告で集めた売却予定の売主の個人情報を、不動産会社に売却して利益を得る仕組みになっています。
目次
共通する流れは、
1.広告専門業者は、売りたい人の潜在意識に露骨ともいえる広告戦略で働きかけて、個人情報と物件情報の入力を促します。
2.情報を入力した売却予定者は、登録している不動産会社リストの中から、業者を数社えらびます。
3.選ばれた不動産業者へは、広告専門業者から売却予定者の個人情報が、売り渡されます。
4.不動産会社数社は、この情報をもとに売却の依頼を任せてもらえるように、売却予定者に営業をかけます。
5.結果、営業活動の中勝ち抜いた不動産業者のみが、販売活動をおこないます。
6.勝ち抜いた不動産会社でめでたく希望の価格で売れれば、大成功なのですが・・？
よく考えなければならない点は、
売却予定者が期待して個人情報詳細を預けた広告専門業者は、集めた売却予定者の情報を不動産会社に売り渡すことを目的としているため、物件が売れるか売れないかには関係なく、不動産会社に売却予定者の情報を売り渡した時点でビジネスは終了しています。
広告費を払って選ばれた不動産会社の目的は、売却予定者に数社の中から選んでいただくことです。ここで落選すると支払った広告費用が、無駄になりますので、売れそうもない高額な査定価格を提示して任せてもらおうとします。
高額な査定競争に勝った不動産会社が、正式に販売活動を進めて行くのですが、マーケットの相場からあまりにかけ離れた価格設定をしてしまうと、販売に相当の時間がかかってしまうか、まったく売れない恐れさえあります。結果的には実勢価格に即した価格に変更するしか方法はなく、売主様側に相当のストレスを強いることになりかねません。
冷静になって考えてみると、
1.売却予定者が、期待を寄せた一括査定サイトは、広告専門業者であり、当初の査定金額や実際に売れた金額の落差に一切の責任を負ってくれるものではないということ。
2.依頼を受けた不動産業者が提示する査定金額は実勢価格とかけ離れていることが多く、その金額に責任を負ってくれるものではありません。
3.どんな売り出し価格を設定しても、最終的にはマーケットの相場で落ち着くことが多い。
しかし売り手の心情としては
一生のうちで何度も経験することのない不動産売却において、査定してもらった金額が、売れる価格（期待する価格）だと思うのは、人情です。ですから、高く査定金額を出してくれた不動産会社に依頼するのも仕方ありません。
一番良い方法とは
類似物件の直近の売買価格、競合物件の現在の販売価格、地域の特性、物件の長所・短所などの要素を組み合わせて総合的に判断して合理的な価格を出します。それから、目標の売却価格を最大化しながら、需要と供給のバランスに基いた価格を決定します。不動産会社に任せる方法は、３つある媒介形式の中から「一般媒介契約」を選択して、複数の不動産会社で一斉に販売活動をスタートすることが、一番良い方法ではないでしょうか。
